私と姉が本当に見に行こうとしていたのは、「グループホーム」です。(間違って、高級老人ホームを見に行ってしまいました。)

グループホームとは、認知症の症状を持っている方々が、専門スタッフの援助を受けながら1ユニット5人~9人で共同生活する介護福祉施設です。地域密着型サービスのひとつでもありますので、利用者は施設と同一地域内に住民票がある方が対象となります。基本的には個室であり、居室内には家具の持ち込みは自由として住み慣れた自宅に近い環境を再現できるように配慮されているところもあります。

やれることはできるだけ自分たちでやってもらうことで、その人その人の個性に寄り添い、自宅での生活に近い暮らしを実現させることを目指します。

例えば、最後に見たグループホームでは、毎食のおかずは外部の業者から取り寄せますが、ご飯を焚いて、味噌汁を作って、盛り付けと配膳、後片付けはユニットのみんなで協力して行います。長らく包丁を持つことをしていなかった入所者が、包丁を持った途端、過去のことを思い出してトントンと上手に野菜を切り出すということもあるそうです。(人間ってすごい。)

この施設では、洗濯をして干して、畳んでも協力して行います。街中の施設ですが、屋上が気持ちのいいバルコニーになっていて、洗濯物もここに干します。洗濯干し場の反対側にはテーブルがあり、お天気のいい日にはお茶をしたり、年に何回かはバーベキューをしたりするとのことでした。

これまで、何軒かのグループホームを見学させてもらいました。グループホーム毎に特徴があり、力を入れておられる点もそれぞれ違います。また、同じ施設内でも、たまたまユニットとなる方々により雰囲気というかカラーが違います。これはどの施設も、意図的にユニット編成をすることは基本的にはないようで、入所順にユニット形成されていくのでしょうから、どんなユニットになるかは運に任せるしかないのでしょうね。

グループホームでの過ごし方は自由です。部屋に戻ってお手紙を書くのが好きな人、みんなの過ごすリビングで新聞を読んでいる人、植物を育てている人、いろいろです。この素晴らしい環境を見て、母がもしもう少し認知症の進んでいない状況でここに入所できていたら、認知症があんなに進むことはなかったろうに・・・と思う半面、認知症があまり進んでいない状況では施設入所自体、家族としては考えもしなかっただろうと思います。

介護の施設については、素人には本当にわかりにくいです。切羽詰まって施設を探すとなると検討の幅が狭くなります。早めにいろいろな施設を見学させてもらう・・ということもなかなか難しいですが、普通の社会人にとっては未知の世界ですから、ぜひ足を運んでみていただきたいと思います。

という私も、現在、母の入所する施設を仮申込中で、これでいいのか、悩みまくりです。昨日も、もう一度ゼロから考え直すかと姉と相談していたところです。また報告いたします。

 

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