「2000万円問題」でマスコミが賑わってますが、なぜこんなに大騒ぎになっているのか、不思議です。
2000万円とは、特に珍しいことを言っているわけではなく、昔から言われていることです。
 
 夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職の世帯では毎月の不足額の平均は約5万円であり、まだ20~30年の人生があるとすれば、不足額の総額は単純計算で1300万円~2000万円になります。この金額はあくまで平均の不足額から導きだしたものであり、不足額は各々の収入・支出の状況やライフスタイル等によって大きく異なります。当然不足しない場合もありうることですし、これまでより長く生きるとなった場合には、今までより多くのお金が必要となるという計算になるのは当然です。
 
 FPの場合、この試算により、資産の額や、老後の就労も検討します。退職金も、これらの額の補完となるよう設計します。定年退職をして年収が減る場合に、自分の収入と退職金、貯蓄、年金等を総合的に判断して、いくら使えるのか、生活パターンをどう変えるべきかと考えるのは、当然です。先にも書きましたが、老後のためにも自助努力しましょうとは、長いこと言われてきたことです。マスコミのあおり方に食傷ぎみです。
 
 昨日、社会保険労務士会の総会では、厚生労働省の方からは本年12月から支給の始まる「年金生活者支援給付金」についてのアピールがありましたが、この内容(年金を含めても所得が低い方の生活を支援するために、年金に上乗せして支給する)については、あんまりマスコミで言わないですね。不思議です。
 
2019.06.18メルマガより
 
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